帯状疱が完治し皮疹(水疱など)も消えたのに、患部に痛みが残ってしまうことがあります。これは、帯状疱疹後神経痛(PHN)と言い、帯状疱疹の合併症として最も多い後遺症(合併症)です。
1~2ヶ月で治まることもありますが、人によっては1年以上続くこともあり、症状が深刻なケースでは数年から一生、繰り返す痛みに悩まされることもあります。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹になった際に神経が傷つき過敏になったり、痛みを抑える機能(経路)に障害が起こり痛みを感じやすくなることが原因です。
高齢者や帯状疱疹の症状が重かった人、元々神経系の持病があった人に発症しやすいと考えられています。
帯状疱疹後神経痛になると断続的もしくは継続的に患部への痛みを感じます。
痛みの感じ方は人によって異なり「チクチクと刺すような」「ピリピリとした」「焼けるような」「ビリビリと電気が走るような」など、様々です。
一方で、皮膚感覚が鈍くなったり(異常感覚)、少し触れただけで強い痛みを感じる(アロディニア)が生じることもあります。
帯状疱疹後神経痛の治療方法としては、まず痛みや神経の炎症を抑えるための薬物療法が一般的です。また、痛みの程度や症状、日常生活への影響などによって、神経ブロックやストレッチ、リハビリなどの理学療法などを行います。しかし、一度傷ついた神経の修復には長い時間がかかり、一時的に痛みが治まっても再発する恐れがあります。
帯状疱疹後神経痛による慢性的な痛みを我慢する生活や、長期間の治療は日常生活を送る上で大きな負担となるでしょう。
今までは鎮痛剤を飲むなどの対処療法しかありませんでしたが、近年、帯状疱疹後神経痛による慢性的な痛みを大幅に改善・緩和させる方法として「再生医療」という新しい治療方法を選択できるようになりました。
再生医療は、痛みを感じる患部付近に健康な幹細胞を移植することで、健康な幹細胞が持つ再生力を利用して、従来の身体機能を取り戻し、痛みの緩和・改善を図ります。当院が行う「自己脂肪由来幹細胞治療」は、ご自身の脂肪から抽出した幹細胞を一定数まで培養し体内に戻すことで、帯状疱疹後神経痛による慢性的な痛みの改善・緩和を目指す治療方法です。
脂肪由来幹細胞は、損傷した細胞などに変化し働く能力以外にも、末梢神経の炎症部位や帯状疱疹で損傷を起こしている部位に作用し、痛みの原因となる炎症を抑える働きがあります。自己脂肪由来幹細胞による再生医療は、帯状疱疹後神経痛の再発リスクを抑え、治療期間を短縮できる可能性のある治療法です。
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